ビーフシチューを手軽に作るなら、ビール煮が一番のおすすめです。赤ワイン煮よりも簡単で経済的、シンプルな材料と作り方で、驚くほど本格的な仕上がりです。肉はほろりと柔らかく煮え、ソースはうま味たっぷりの深い味わい。隠し味に砂糖を使うからでしょうか、白いご飯にも意外とよく合う、親しみのある美味しさです。
牛肉のビール煮込み(カルボナード)
材料(4人分)
- 牛すね肉又は肩ばら肉 500~600g
- 玉ねぎ 1個
- バター 大さじ1
- 小麦粉 大さじ1
- 赤ワインヴィネガー 大さじ2
- トマトペースト 大さじ1
- きび砂糖 大さじ1/2~1
- ビール 1缶(350ml)
- 水 適宜
- 塩こしょう 適宜
- サラダ油 適宜
作り方
- 肉は2cmくらいの厚みに切り、塩こしょうする(しっかりめ)。玉ねぎは薄切りにする。厚手の鍋にサラダ油を熱し、強火で全体をこんがりと焼き、バットに取り出す。
- 鍋に残った油をキッチンペーパーで軽く吸い取る。バターを入れて熱し、玉ねぎを炒める。しんなりとしたら小麦粉をふり入れ、粉気がなくなるまでよく炒める。赤ワインビネガーを加えて旨味をこそげ落とし(デグラッセ)、トマトペースト、きび砂糖を加えて炒め合わせる。
- 2に1の肉を戻し入れ、ビールを注ぎ、水をひたひたになるまで加える。強火にかけて沸騰したらあくを引く。蓋をして弱火にし、1時間半~2時間煮込む(煮詰まりすぎるようなら水を適宜足す)。肉が柔らかくなったら、塩こしょうで味を整えて仕上げる。
アドバイス
- ビールはお好みのもので(黒ビール以外)。飲みやすいタイプ(スッキリとしてほどよいコクのある黄金系)がいいと思います。
- 肉が煮上がっても煮汁がしゃぶしゃぶしている場合は、肉をバットに取り出して、煮汁だけを強火にかけて煮詰めてください。トロミがついたら肉を鍋に戻し、ひと煮立ちさせてなじませます。
- つけ合わせは、茹でたじゃがいもや平たいパスタ(タリアッテレやフェットチーネ)などがよく合います。余力があればじゃがものピュレを作ってみてください。作り方は下記の通り。
じゃがいものピュレ
作り方(4人分)
1.メークイン(2~3個)は皮をむき、4等分にして茹でる。やわらかくなったら湯をきり、強火で水分をとばして泡立て器でつぶす。
2.1に牛乳(100~150㏄)を加えて中火にかけて温め、バター(大さじ1)を加えて泡立て器でよく混ぜる。塩(小さじ1/2くらい)、こしょう、ナツメグで調味する。
じゃがいものピュレはお鍋と泡立て器だけで簡単に作れます。じゃがいもの粒をあえて残して田舎風に。男爵よりもメークインのほうがしっとりと美味しいピュレになります。
玉ねぎの甘み、トマトペーストのコク、ヴィネガーの酸味、ビールのほのかな苦味とうまみが溶け合った、重厚な美味しさです。もちろん、ビールが飲めない大人や子供も、まさかビールで煮込んだとは気付きません。家族や友人をちょっと驚かせたいときに、ぜひ作ってみてくださいね。