パン作り愛好家の間で絶大な人気を誇る「ホシノ天然酵母」。名実ともに日本のザ・天然酵母と言えるでしょう。私自身も長年(20年近く!)の愛用者です。酵母の醸し出す熟成した香りと旨味、自然な甘みとコク、もっちりしっとり感がホシノで焼くパンの特徴です。国産小麦との相性は言わずもがなで、これこそ日本人が一番しっくりくるパンの味わい、ご飯のように毎日食べても飽きのこない美味しさだと思います。今回はホシノ天然酵母の中でも個人的にイチオシの「ホシノ丹沢天然酵母」で、生種の起こし方をご紹介します。
〈天然酵母とは…〉
天然酵母は自然界の至るところ、特に果物や野菜、穀物に付いている野生の酵母を元に、自然培養して作られた発酵種です。例えば、ぶどうから採れるフランスのぶどう種、ライ麦で作るドイツのサワー種、北欧のホップ種、そして日本の酒種…。それぞれの土地の風土に根ざした天然酵母は古くから引き継がれ、今またその良さが見直されています。
〈ホシノ天然酵母とは…〉
日本古来の醸造技術を活かした発酵種。お米由来の酵母を、国産小麦・国産米・麹・水でゆっくり培養した天然酵母です。
〈ホシノ丹沢天然酵母とは…〉一番のオススメ!
丹沢山(神奈川県)の葛葉川上流で採取した野生酵母を、国産小麦・国産米・麹・水でゆっくり培養した天然酵母です。ホシノ天然酵母よりもすっきりとした香味で、発酵力が強く、色づきも濃くなります。
生種起こし
乾燥して眠っている酵母を起こす作業が“生種起こし”です。
材料
ホシノ丹沢天然酵母 100g
ぬるま湯(30℃) 200g
作り方
- 熱湯消毒したガラス瓶に酵母を入れる。30℃のぬるま湯を注ぎ入れる。
- 清潔なスプーンやフォークでよくかき混ぜる。酵母が水分を吸収して、おから状になったらOK。
- 蓋を軽くかぶせ(密閉はしない)、25~30℃で24時間~30時間おく。目安は28℃で24時間。
完成時の酵母はお酒のような香りがし、なめてみると苦味や渋み、軽い酸味のある複雑な味がします。見た目には細かい気泡がポコポコとあがり、さらっとなめらかな状態です。
この状態でも使えますが、冷蔵庫で一晩おくと発酵力が安定します。
アドバイス
- ホシノの乾燥パン種は、開封後は冷蔵庫で保管します。1年間ほど保存できます。
- 起こした生種は冷蔵庫で1か月くらい保存可能です。1か月を過ぎると発酵力が弱まってきますが、ピザやフォカッチャ、菓子パンなどには使えます。1か月半くらいで使い切りましょう。
- 室内の温度を上手く管理すれば、冬場以外は室温でも元気な酵母が起こせます。一年を通じて安定した品質の生種を作るには、ホシノ天然酵母の生種起こし機能付きのホームベーカリーや、ホシノ天然酵母自動発酵器、ヨーグルトメーカーを使うと大変便利です。
私がいつも使っているのは、ヨーグルティアというヨーグルトメーカー。28℃の24時間設定で失敗なしです。
好きなヨーグルトを種菌にして増産(10倍に!)できる優れもの。万能調味料の塩こうじも、栄養ドリンクの甘酒もこれにおまかせでおいしく作れます。
この生種を使った基本のパン作りは、次回のブログにて。お楽しみに!