あんず好きにとって今年は悲しい年。信州では春の低温続きで、あんずの花の蕾が枯れてほとんど結実せず、今年はあんずの出荷がほぼ不可能な状況だそうです。農家さんの落胆はいかばかりか…。毎年梅雨時にあんずジャム作りを楽しみにしている私も、ひそかに大ショックです。

昨年の信州のあんず、信山丸

というわけで、今回は私が時々作っている干しあんずのジャムをレシピにまとめてみました。仕方なく…ということでは決してありません。実はこれが、生あんずのジャムに匹敵するほどの美味しさなのです。干すことで風味が凝縮されたあんずの、甘酸っぱくて濃厚な味わい。季節を問わず作れるのも、あんず好きには嬉しいですね。

干しあんずのジャム

材料(出来上がり分量約550g)

  • ドライアプリコット     200g
  • 砂糖            100g
  • レモン汁          大さじ1
  • 水             2カップ

    作り方

    1. 鍋にドライアプリコットと水を入れて強火にかける。沸騰したら中火にして、あんずが柔らかくなるまで煮る(5~10分)。
    2. グラニュー糖とレモン汁を加え、沸騰したらアクを取る。キッチンバサミで好みの大きさにカットしながら(または木べらで果肉をくずしながら)、とろりとするまで5~10分煮る。
    3. 熱いうちに清潔な瓶に入れる。

    アドバイス

    • ドライアプリコットは、甘酸っぱいアメリカ産(またはアフリカ産)のものがおすすめです。トルコ産のものは酸味が少ないので、ジャムにすると味が少しぼやけてしまいます。レモン汁を多めにしたりして調整してください。
    • 冷めたらさらにとろみがつくので、少しゆるめの状態で火から下ろします。全体的に煮崩れたらOKです。お好みで仕上げにアマレットを少し加えるとさらに良い香りです。
    • 上記の分量と作り方で、ジャムの糖度は45%前後でした。長期保存する場合は、もう少し砂糖を増やして糖度を上げてもいいと思います。瓶の煮沸、ジャム充填後の脱気・殺菌方法については下の記事を参考にしてください。

    考えてみたら、干したあんずをわざわざ戻してジャムにするとは贅沢ですね。京都には、古漬けのたくあんをわざわざ塩抜きしてから炊き上げる「ぜいたく煮」というおばんざいがありますが、生の大根を炊いたのとはまったく違う食感と風味が魅力です。干しあんずのジャムも、「干す」というひと手間の分、生あんずのジャムとはまた違う、奥行きのある味わいが楽しめます。

    干しあんずのストックがあれば、好きな時にささっと作れるのも嬉しいですね。濃厚なあんずの美味しさをぜひ!

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