実は滅多に外でお茶をしない私ですが、甘味処には時々足を運びます。美味しいお茶と焼き菓子なら家で気軽に用意できても、美味しいあんみつとなるとそうはいきません。天草を何時間も煮て寒天を拵えたり、黒糖をじっくり煮溶かして黒蜜を作ったり…。一見シンプルなあんみつですが、大変な手間ひまの結晶です。こういうものこそ職人さんの手になるものを。というわけで、今日は久しぶりに一条通の虎屋茶寮へ。

御所の脇、一条通に面した趣のある佇まい(店舗のほうは烏丸通に面しています)。甘味処というよりも、まさに茶寮といった風情です。虎屋と言えば東京赤坂のイメージが強いですが、創業は室町時代後期の京都。明治の東京遷都で天皇にお供して、京都の店はそのままに東京にも進出し現在に至るとのことで、なんとその歴史は5世紀!

特製あんみつ 1200円

さて、お目当てのあんみつです。ここのあんみつの特徴は、色とりどりの美しさ。西伊豆の天草を数種類ブレンドして作るという寒天は、弾力も歯切れも心地良い美味しさです。美しい琥珀寒天にコク深い黒糖寒天、薄く型抜きされた透明な羊羹、ほどよいかたさの赤えんどう豆、柔らく煮えた丹波の黒豆、なめらかで上品な甘さのあんこ…。緑色の丸いのは若桃です。コクのある黒蜜をたっぷりかけていただきました。

こちらは季節の和菓子、栗粉餅。裏濾しにした栗と白あんを混ぜたそぼろを、求肥包みの餡につけたお菓子です。まさに和のモンブラン。和栗独特のほこっとした美味しさがたまりません。

こちらの抹茶グラッセも外せません。注文を受けてから点てる抹茶はもちろん風味抜群。抹茶本来の甘みがあまりにも際立っているので、店員さんに「これ、お砂糖入ってないんですよね?」と思わず確認したほどです。白蜜も添えられてきますが不要。家で手軽に作るグリーンティー(清涼糖抹茶)とは雲泥の差です。やっぱりちゃんと点てねば…。こちらの抹茶グラッセは、虎屋特製「京の調べ」使用とのこと。

季節の生菓子+抹茶グラッセ 1340円

ちなみに“グラッセ”はフランス語ですが、そういえば虎屋はパリにも店舗を構えています。パリ出店40周年を記念して、なんと「イスパハン」なる和菓子も各種リリース。ちょうどレジのところに、小型羊羹「イスパハン」があったので思わず買ってしまいました。ピエール・エルメの代表作を、羊羹でどう表現するというのでしょう?!

小型羊羹イスパハン 340円

確かに「イスパハン」のニュアンスが、何とも上品に醸し出されています。甘酸っぱいフランボワーズ、華やいだライチの風味、上品なバラの香り…。でも最後には羊羹らしい甘みも感じられて、なんだかほっとするのでした。流石の完成度です!

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