
最近いただいたジャムの中から、印象に残ったジャムを2種類ご紹介します。単に美味しいだけでなく、それぞれに個性が光る逸品です。
サンジュリアーノ・マーマレード "レモン"

マーマレードといえばイギリスのイメージが強いですが、柑橘類の本場イタリアのマーマレードはイギリスのものとはまた違った美味しさがあります。このサンジュリアーノ・マーマレードはシチリアのサンジュリアーノ侯爵家(!)の農園で無農薬栽培された柑橘類を使って、秘伝のレシピで作られているのだとか。早朝に完熟果を手摘みし、午前中には作り終えるというだけあってフレッシュ感がいっぱい。南イタリアの太陽を感じさせるような美味しさです。

イギリスのマーマレードはペクチン使用で固めのものが多いですが、サンジュリアーノのマーマレードは自然な程よいとろみ。そしてこの大きめにカットされたピールが、イタリアらしい大らかさを感じさせます。なかでもこのレモンマーマレードは、爽やかな風味とコクのある甘み(ケーンシュガー使用)、レモンの皮特有の薬っぽい香りや苦味も適度にあって、レモン好きにはたまらない美味しさです。
チップトリー "リトルスカーレット"

”リトルスカーレット”というストロベリージャムは、イギリスの老舗ウィルキン&サンズ社のチップトリーブランドの看板商品。 英国王室御用達、しかも007のお気に入りとして小説にまで登場する超ブリティッシュないちごジャムです。 チップトリーには普通のストロベリージャムもありますが、このリトルスカーレットストロベリーは、1900年代初頭にウィルキン家が英国に持ち帰った小粒の野生品種。栽培が極めて困難といわれる野いちごを自社農園で育て続けてジャムにしているそうです。

野生種らしい小粒ないちごの形をそのまま残して仕上げています。風味も甘みもしっかりとしていて、プチプチした種の食感も楽しめます。トーストもよいですが、やはりスコーンやワッフルと、たっぷりめのクリームと合わせて食べるのが最高です。

2つのジャム(マーマレード)は、糖度を計ると65%前後ありました。うちで作るジャムは糖度50%くらいを目安にしていますから、結構高めです。でもこれくらい甘みも風味もしっかりとしているほうが、クリームのコクや力強いパンの味わいとも調和して、ジャムが一層美味しく感じられる気がしました。日本のジャムは低糖指向のものが多いのですが、しっかり砂糖を使うことで醸し出せるパンチのある美味しさも、ジャムの醍醐味ですね。
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