20年前にパリで買ったピエール・エルメのレシピ本。これまで一度も活用したことがないばかりか、なぜ買ったのかも思い出せず、そもそもエルメのパティスリーを食べたこともない。京都にリッツ・カールトンがオープンしてピエール・エルメとのコラボレーションが話題になり、折あらば…と思いつつすでに5年以上が経過。そして先日、ようやく行ってまいりました。

ピエール・エルメのパティスリーといえば、見た目も味も芸術品のようなイメージ。リッツ・カールトン京都にはピエール・エルメ・パリのブティックがあり、ラウンジではアフタヌーン・ティーを提供しています。エルメのスコーンに興味があったので、奮発してアフタヌーン・ティーをいただきました(平日4000円、税・サ別)。年末の慰労会ということで特別に…。

まずはポットにたっぷりの紅茶とセイボリー(塩味)のお皿が運ばれてきます。

エルメ・パリ珠玉のパティスリー。私の説明など不要ですが、個人的にはこのかわいらしいパリ・ブレストが気に入りました。

そしてスコーン。“パティスリー界のピカソ”がプロデュースしても、やっぱりスコーンは素朴。でも、なんだかちょっと趣が違う…。

背が低く、腹割れなし。ガレット・ブルトンヌを膨らましたような形です。昔、パリの料理学校で先生がセルクルをつけたままスコーンを焼くのにギョッとしましたが、仕上がりはやはりこんな感じでした。

素朴さを演出していますが、妙にかっちりしています。何とか半分に割ってみると、生地はとてもしっとりとして、まったくぽろぽろ落ちません。頬張るとじわっと油脂を感じます。スコーンと言えなくもないのですが…。

クロテッドクリーム不要のしっとり感ですが、なんとクロテッドがクネルにされています。初めて見ました。フレンチパティシエの性でしょうか。洋梨&カシスのジャムも、ジャムというよりコンフィチュールと呼びたくなるような優雅さ。エルメのコンフィチュールはクリスティーヌ・フェルベール女史とのコラボだそうですが、彼女もまた、コンフィチュール界に革命を起こした天才です。

私も著書を持っていて、こちらは長年愛用しています。ジャムといえば「弱火でコトコト長時間」だったのに、「強火でガーッと短時間」でフルーティーに仕上げるのは、当時の私にとって目からウロコでした。素材の自由な組み合わせ方も。彼女の手法はやがてフランスのみならず、日本のジャムの作り手にも浸透して、今や本流になりつつあります。

ピエール・エルメのパティスリーも然り。当時は前衛的、魔術師などと騒がれましたが、彼の斬新なフレーバー使いや造形美は、現在のパティスリー界にすっかり定着したように思います。20年以上前の著書を見ても全然古さを感じないどころか、今流行りのお店のケーキのようです。

話をスコーンに戻しますと、ところ変われば品変わる、で、このスコーンも結構面白くいただきました。そしてやはり、フランスにスコーンはいらないな…というのが正直な感想。

それでもピエール・エルメ・パリ自慢のパティスリーを、ミニサイズで一挙に5種類も楽しめたのは至福の体験でした。帰りにブティックで彼の代表作“イスパハン”を買うつもりでしたが、さすがにギブアップ。また次の機会に…(何年後⁈)。

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